飼い犬の逸走の場合2012/01/30 23:41

本日は、万一、愛犬が逸走してしまった場合についてです。

つい一昨日も逸走の報が入りましたが、無事に地域の動物管理センターで
保護されていることかわかり、今日、飼い主の方が迎えに行かれたはずです。

その飼い主さんと親元の方が
「動物管理センターという所があることを知らなかった」
とおっしゃっておられましたので、逸走については柴保ホームページにも
記しておりますが、それをもとにこちらにも掲載致します。

 ・・・・・

今は厳冬期ですが、逸走しやすい季節は、やはり、夏です。
夏は、雷・花火など犬たちの嫌いな音が突然鳴りだしたり、或いは
門の錠のかけ違い等によって、家から出て行ってしまう犬が多い季節です。

夏に限らず、逸走しないように管理していることが第一ですが、
飼い主の落ち度によらずとも、万一なんらかの原因により
飼い犬が逸走してしまった場合、できるだけ早く、
「地区及び近隣地区の保健所、警察、動物管理センターに届け出」をします。

「何日かしたら1人で帰ってくるだろう」
「前も帰ってきたから今度も帰ってくるよ」
と、犬を信用して待つ事は禁物です。
逸走してすぐに捕獲された場合、地域によっては捕獲から2~3日で殺処分
となる場合もあるからです。
すぐ探したおかげで、見つかった犬もいます。その管理センターは
3日で殺処分でしたので、ギリギリでした。

近頃は、ホームページに動物管理事務所が捕獲犬の写真を載せて公開している場合も
ありますから、利用されるとよいと思います。
ただし、載っているのは、ご自宅で撮られる「写りの良いかわいい写真」というわけ
ではありません。
「とりあえず撮れた」らしい写真が載っている場合も多いですし、
逸走期間によっては、外見や体型が変化している場合もあります。

鑑札を付けている犬は殆ど100%飼い主へ戻りますが、首輪は抜けてしまう場合も
あるので、その点も考慮して探す必要があります。

時には数カ月後に見つかった例もありますから、様々の場合を考慮して
「根気よく」探す必要があります。

雌犬で逸走から3ヶ月たって見つかった例があるのですが、
その子は発見から約1ヶ月後に子犬を生みました。
想像するに、放浪中にどなたかが飼っていてくださったのだけれども、
子犬が生まれる事態となり、「拾った犬が子犬を生んだら大変!」と
また放されたのではないかと思います。そして再度の放浪中にセンターに捕獲され、
飼い主が発見した、という経過ではないかと想像しています。

次は、探す時の「犬種」についてです。
「柴保の犬」の外見(額段が平らで面長、脚も長め)は、まだ一般には
「柴犬」としての認知度は低い場合もあるようです。
逸走した柴保の犬が動物愛護センター等に収容され、犬種の分類が
「雑種」と判断された例が度々ありました。

柴保の犬の場合は「柴犬です」と言って探すと「該当無し」となることがあります
から、この点も考慮して問い合わせをする必要があります。


各所への届け出と共に、探して歩く事も肝要です。
いつもの散歩コースに写真(できればカラー)入りの貼り紙を貼ったり、
散歩仲間の方にお願いしたり、散歩をしている方にチラシを渡してお願いすることも
有効です。貼り紙(チラシ)には
「犬種、毛色、性別、年令、体重またはおおよその大きさ、首輪の色、
 特徴(キツネ顔、縄文柴、脚長め、痩せ形、シッポの形、目印になる毛色や
 顔の特徴など)、性質(人なつこい、怖がり、○○が好き)」
などを書き、見かけた場合や保護してくださった場合の連絡先を記します。

また、名前を呼んで探す事も重要です。
弱るなどして人間から見えにくい所に潜んでいて、飼い主の声を聞いて、
鳴くなどして自分の存在を知らせる事もあります。名前を呼んで探し、
帰宅したら後ろからついてきていた、という例も多く聞きます。

また、自家用車で少し遠方まで探しにいったところ、車の音を聞きつけて現れた、
という例もあります。
車種は同じでも、自分の家の車の音は、判別できる犬が多いです。
自転車(チェーン)の音も判別できるようです

自分で帰ってくることもありますから、治安に気を付けつつ、門を少し
開けておくのも必要かと思います。鑑札の番号も控えておきます。
また、首輪に連絡先の電話番号などを書いておくのも有効です。
過去に逸走した我が家の犬は、これでご連絡を頂き、迎えに伺いました。


無事に帰ってきたら、まず食事に気をつけます。

逸走中は何を食べていたか分かりません。胃腸が弱っていた場合、
「お腹が減っているだろう」と急に沢山食べさせると、それが原因で
命を落とした例もあります。少なめ・軟らかめの食事から2~3日かけて
元の食事に戻すとよいと思います。
獣医さんで健康診断を受けるのも良いでしょう。


しかしながら、逸走しないことが一番です!!
御愛犬の、平穏な日常を願っております。

               (柴保会報『柴犬研究』2007年9月掲載に加筆)

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